「来期の予算に入れておこう」
と役員会で言われた
ISSUE
起案したDX施策が遅延する

起案が
来期送りになる

IT化との違いを
聞かれてしまう

事業部門が
予算を出さない

PoCの実施後
先に進まない
DXの施策は、技術の検証まで進んでも、予算の段階で止まることが少なくありません。そのとき問題にされるのは、起案者の熱意や説明の巧拙です。しかし、原因はそこだけではありません。
起案の多くは、現場の業務課題を起点に書かれます。一方、予算を持っている人が見ているのは、自分が責任を負う経営課題です。施策の規模が大きくなると、DX推進部門の予算だけでは足りず、工場や物流拠点など事業部門の予算に頼る場面も出てきます。その予算を持つ人の経営課題につながっていない起案は、「現場の要望」として処理され、来期送りになります。
起案を前に進めるには、誰の予算に乗る施策なのかを確かめ、その人が「これは自分の課題だ」と判断できる論点に組み立てる必要があります。ここでは、外資系IT企業の営業が、顧客企業の稟議を通すために実践してきた論点の組み立て方を、「2つの構造」として公開します。
STRUCTURE
問題の構造

問題の構造 - 1|経営との接続
業務課題だけでは、予算を持つ人の判断材料にならない
予算を持つ人が優先するのは、自分がコミットしている経営課題です。経営層であれば中期経営計画に掲げた課題、工場長であれば稼働率や歩留まり、老朽設備への対応といった課題です。予算も人員も、その課題に対してすでに割り当てられています。
業務課題は、この経営課題に紐づいて初めて「いま取り組むべき課題」として認識されます。紐づいていなければ、改善効果がどれほど大きくても、優先順位を争う土俵に乗りません。さらに、全社の経営課題にだけ接続した起案は、工場の予算を使う場面では、工場長が判断する材料になりません。
これは起案の内容の問題ではなく、業務課題と経営課題のあいだにある断絶によって起きています。

問題の構造 - 2|社内への説得
論点が並んでいるだけでは、起案者のいない場で判断できない
起案は、起案者の手を離れて、上司、関連部門、決裁者へと回っていきます。その場に起案者がいて、口頭で補うことができるとは限りません。
起案書が論点の列挙にとどまっていると、「なぜ今なのか」「なぜこの施策なのか」を因果でつなぐ作業が、読み手に残ります。因果が追えなければ、読み手は何を判断すればよいのか分かりません。判断の材料がないので、「もう少し調べてから」と差し戻されます。
これは起案者個人の説明能力の問題ではありません。起案書が、起案者のいない場で検討できる構造として設計されていないことに起因します。
SERVICE
DX-起案の設計図|CaseScenario™

CaseScenario™ とは?
論点設計のフレームワーク
止まる原因は、担当者の熱意や資料の出来ではありません。業務課題が、判断する人の経営課題につながっていないこと。論点を結ぶ因果が、書面に残っていないこと。この2つです。CaseScenario™は、「経営接続」と「ストーリーロジック」によって、この2つを設計します。
PROCESS
起案の進め方
1件の起案を3ヶ月で上程できる状態にする
題材は、いま止まっている(またはこれから起案する)実際の施策です。月 2 回のセッションで設計し、宿題は実際に社内で使って、反応を持ち帰っていただきます。演習ではないので、終わったときには起案が上がっています。
回
1
2
3
4
5
6
やること
起案する施策を確定し、誰の予算に乗るか、その人は何を課題にしているかを整理する
経営接続:自社の中期経営計画と共通課題マトリクスで、接続先の経営課題を決める
ストーリーロジック:市場環境から効果までの因果を1本にする
読み手ごとの版:同じ因果で、入口だけを工場長向け・本社向けに変える
成果指標と段階の設計:試行から展開までの段階と、やめる基準
上程前の確認:決裁者の立場で質問し、答えられない箇所を残さない
次回までに
決裁のルートを洗い出す
接続案を作る
起案書の骨格を作る
工場に持っていき、反応を聞く
指標案を作る
修正して上程する
最初の1件の選び方
題材は、いま止まっている(またはこれから起案する)実際の施策です。月 2 回のセッションで設計し、宿題は実際に社内で使って、反応を持ち帰っていただきます。演習ではないので、終わったときには起案が上がっています。
DELIVERY
CaseScenario™ のご提供
1件の起案を上程まで一緒に設計する
DX起案の設計図は、貴社で実際に進めている起案1件を題材に、上程できる状態まで一緒に設計する形でご提供します。起案書を書くのは起案者ご自身で、当方は論点の設計とレビューを担います。決裁者の前で説明するのは起案者ご自身であり、自分で書いた起案でなければ、その場で答えられないためです。提供期間は3ヶ月で、来期予算の編成前でも、年度の途中でも始められます。

DELIVER|CaseScenario™ 起案の上程化
なぜ外部と進めるのか:
起案を担うのは、多くの場合、若手中心のチームです。経験のある人は既存の業務から外れられず、部門長は個別の起案を見る時間が取れません。また、社内の上司が行う確認は、そのまま評価になります。決裁者の立場での質問を、評価と切り離して受けられるのは、外部だけです。
進め方:
上の6回のとおり。起案書を書くのは起案者自身で、当方は設計と確認を担います。自分で書いた起案でなければ、決裁者の前で説明できないからです。
どこまで有効か:
範囲は、起案を上程できる状態にするところまでです。承認されるかどうかは、各社の投資基準や他の案件との優先順位に依存するため、範囲外です。投資回収の計算、技術の選定、PoCの実施は扱いません。
提供価格:
別途ご相談(準委任契約、秘密保持契約を締結したうえで進めます)
ご依頼の前に適合度をご確認ください
向いている場合
技術の検証は済んだが、予算の段階で止まっている施策がある
施策の予算が、DX推進部門だけでなく、工場や事業部門にまたがる
起案書が回っていく途中で、「もう少し調べてから」と差し戻される
起案を担うメンバーが若手中心で、経営課題の言葉を持っていない
部門長が多忙で、個別の起案を見る時間が取れない
来期の予算編成など、上程したい時期が決まっている
向いていない場合
起案者自身が決裁者で、社内で回す必要がほとんどない
施策の中身(技術や要件)がまだ固まっていない
DX戦略やロードマップそのものを策定したい
題材になる実際の起案がない(演習になるため)
ABOUT
提供者紹介
売り手の側から、稟議が止まる場所を見てきました
外資系IT企業の営業として、私の仕事の大きな部分は、顧客企業の担当者が社内で稟議を通すための材料を一緒につくることでした。稟議がどこで止まり、予算が実際にどこから出るのか。それを売り手の側から見てきました。
製造業に品質管理のソリューションを提案したときのことです。本社の品質管理部門は、自分たちで予算を申請しようとしていました。しかし、設備の更新やラインの組み替えのための大きな予算をあらかじめ確保していたのは、工場のほうでした。私は工場の課題に接続した論点を組み立て、工場の予算を取りに行きました。
起案が止まる場所と、予算が実際に出る場所は、社内にいるとかえって見えにくいことがあります。DX起案の設計図は、売り手として見てきたその構造を、起案する側にお渡しするものです。

宮崎祥一
/ Shoichi Miyazaki
SAS Institute、Teradata、Avanade、McAfee、Experian、Honeywellなどの外資系IT・アナリティクス企業で、30年以上にわたり法人営業とビジネス開発に従事。製薬、化学、食品・飲料、半導体などのプロセス産業のほか、金融、小売を中心に、導入事例の乏しい新領域における案件創出から受注までを主導。2023年にHoneywellのAccount Directorを退任し、現在は株式会社アルファブランディングを通じて、DXや新領域ソリューションの初期提案と、企業内でのDX施策の起案の設計を支援。