機能強化を図ると価格競争に陥る - オーセンティックマーケティング

天秤ばかりと裁判用の木槌の画像に「機能強化を図ると価格競争に陥る」と書かれている

宮崎 祥一 / ブランドプロデューサー

SAS Institute、Teradata、Honeywellなどの国際企業でアナリティクスのビジネス開発に携わった経験を活かし、オーセンティックマーケティングを通じて、価格競争に陥らない強いブランド作りを支援しています。オーセンティックマーケティングは、企業が本質的な価値を顧客に伝え、持続可能な成長を目指すための戦略です。このブログでは、そうした戦略や実践例を詳しく解説しています。

宮崎祥一のプロフィール写真


今日の論点


機能強化を図ると価格競争に陥る

競合他社との差別化を図るために機能を強化することは、一般的によく行われる手法です。しかし、これが価格競争に陥る一因になっていることをご存じでしょうか?

 

「え~っ!機能強化に時間とお金を突っ込んでるで!」

 

それは大変ですね。今回のブログでは、なぜ機能強化が価格競争を引き起こすのか、その仕組みについて詳しく解説します。また、機能強化に頼らない差別化の方法である『オーセンティックマーケティング』についてもご紹介します。

 

オーセンティックマーケティングは、他のマーケティング手法とは異なり、全体を俯瞰した戦略的なアプローチです。

 

野球に例えるなら、SNSマーケティングやビデオマーケティングは、スライダーやカーブのような、状況に応じて使い分ける「球種」に相当します。一方で、オーセンティックマーケティングは「配球」のような役割を果たします。

 

投手が自分の持ち球を理解し、バッターの癖を見極めて最適な球を選ぶように、オーセンティックマーケティングでは、企業が自社のビジョンを明確にし、顧客の真の課題を理解した上で、どのマーケティング戦略をどのタイミングで使うかを適切に判断します。

 

 

細かい説明はこの後でしますので、ぜひ読み進めてみてください。

(^^)/’’’イッテラッシャイ

          

 



目次


1. 課題と背景


モノクロの水しぶきの画像の上に、「ISSUIE」と書かれている。

1.1 利益確保に苦しむ企業の現状


皆さんの会社、ちゃんと利益が出ていますか?厳しい状況にあると感じている方も多いでしょう。まず、『なぜ利益が出ないのか』を考えてみましょう。

 

経済状況の変化、顧客ニーズへの対応の遅れ、ライバル会社との競争の激化など、利益確保が難しくなっている理由はたくさんあります。このような厳しい状況の中、皆さんはこう考えるのではないでしょうか。

 

「商品の機能を強化して、ライバル会社を打ち負かしてやる!」

 

利益を確保するために、多くの企業は商品やサービスの機能強化に力を注ぎます。新しい機能や特徴を追加することで市場での競争力を高め、顧客の関心を引きつけようとしています。

 

実はこの機能強化こそが価格競争を生む原因となり、結果的に利益が出なくなる要因となっているのです。


1.2 機能強化を図ると価格競争に陥る:競争の収斂とは何か


仮にあなたが差別化を目的として、商品やサービスの機能を強化したとします。その結果、顧客から高評価を得て、売り上げは急増、会社には莫大な利益がもたらされました。

 

しかし、その後どうなるでしょうか?

ライバル会社は何もせずに見ているでしょうか?

 

ライバル会社はあなたの会社の商品を研究し、それを模倣します。そして機能を模倣した上でさらに改良を加え、新商品をリリースします。そうなると、あなたの会社の業績は急落するでしょう。

 

その時、あなたはどうしますか?

あなたもライバル会社の商品を研究し、新商品を開発するのではないでしょうか?

 

ただし、機能の強化には限界があります。完成度を60%から80%に上げるのは比較的容易かもしれませんが、80%から90%、そして90%から95%に上げるには、上り幅が小さくなっているにもかかわらず、難易度が高くなります。

 

こうして機能の強化が限界に達すると、次には顧客が望まない機能まで追加し始めます。例えば、テレビのリモコンを見てください。普段使うのは、電源、チャンネル、ボリュームの3つだけで、他のボタンはほとんど使いません。余計な機能がたくさん付いているということです。

 

こうなると、機能に差がなくなります。顧客から見ると、余計な機能が多すぎて、どちらが高機能なのか判断できなくなるのです。最終的には、差別化できるのは価格だけとなり、激しい価格競争が始まります。

 

また、こうした過剰な機能強化や機能追加は製造コストを押し上げます。機能で差別化ができなくなった上に、製造コストまで上がってしまえば、利益を出せる訳がありません。

 

競合同士が模倣しあう状況が続き、最終的には機能による差別化が難しくなる現象を、ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授は「Competitive Convergence / 競争の収斂(しゅうれん)」と呼んでいます。

 

このように、機能強化を図るだけでは長期的な競争優位を築くことは難しく、最終的には価格競争に巻き込まれるリスクがあります。企業は、単に機能を追加するだけではなく、他の差別化戦略を模索する必要があります。次章では機能強化以外の差別化方法をご紹介します。



2.  課題の構造


金属の歯車が組み合わさっている画像の上に、「MECHANISM」と書かれている。

2.1 購買行動の大きな変化


新しい差別化の方法を説明する前に、まず、消費者の購買行動の変化を確認しておきたいと思います。

 

2021年に株式会社野村総合研究所が発表した「生活者1万人アンケート」の結果から、2000年から2021年にかけての消費者の意識の変化がわかります。

  • 安さ納得消費:製品にこだわりはなく安ければ良い
  • 徹底探索消費:多くの情報を収集し お気に入りを安く購入
  • 利便性消費: 安さよりも利便性を重視
  • プレミア消費: 自分が気に入った付加価値には対価を払う
野村総合研究所「生活者1万人アンケート」の結果

※ 元データ:生活者1万人アンケートより引用、グラフ作成:株式会社アルファブランディング

 

この結果から、2000年に比べて2021年の消費者は、安さを重視する割合が50%から35%に減少し、逆に自分が気に入った商品や利便性に対して対価を払う割合が50%から65%に増加していることが分かります。
 

この変化は、単に商品を手に入れることだけでなく、その商品を通じてどのような価値観やストーリーを共有できるかが購買行動に大きな影響を与えていることを示しています。企業のビジョンや商品の社会的意義、購入による世界への影響が消費者の選択に深く関わるようになっています。

 

消費者は、自分の行動が社会や環境に与える影響を考え、その価値観を商品選びに反映させています。商品を選ぶことが自分の価値観を表現する手段となり、その価値観が購買行動を通じて広がっていきます。

 

そのため、企業はマーケティング活動において、商品やサービスの価値だけでなく、その背景やストーリー、顧客の価値観との一致を深く理解し、それを伝えることが重要です。企業の信念やビジョンを伝えることが、差別化の鍵となります。


2.2 最も大切なことは信念を伝えること


信念やビジョンを顧客に伝えるには、企業はどうすればよいのでしょうか。次の2つのメッセージを見てください。

 

メッセージA:

  • 私たちは高性能なPCを作っています
  • 美しいデザイン、シンプルな操作性、強固なセキュリティ
  • ぜひお買い求めください

 メッセージB:

  • 世界を変えることができると本気で信じている人たちに、私たちはツールを届けたい
  • 美しいデザイン、シンプルな操作性、強固なセキュリティ
  • これが、私たちの信念に基づいて作られたPCです。

 

メッセージの構造をもう少し詳しく見ていきましょう。次の図は、米国のコンサルタントであるサイモン・シネック氏が提唱した「ゴールデン・サークル」というモデルです。

ゴールデン・サークル

シネック氏は、心に響くメッセージを「What、How、Why」の3つの要素に分けて説明しています。

  • What: 何をしているのか(商品、製品、サービス)
  • How: どうやるのか(手法、工程、差別化)
  • Why: なぜやるのか(理由、信念、理念)

先ほどのメッセージAは、商品を説明した後に、その方法を説明しています。「What → How」の順番です。なぜやるのか、Whyの説明がありません。

 

一方、メッセージBは、まず自分たちの信念であるWhyを説明した後に、方法と商品の説明をしています。「Why → How → What」の順番です。

 

メッセージAよりもメッセージBの方が心に響くのは、まず初めに『自分たちの信念を伝えている』からです。差別化を図るには、機能やスペックではなく信念やビジョンを語ることが重要なのです。


2.3 本当に信念で差別化を図れるのか


信念やビジョンで差別化を図るというと「私たちの会社の信念やビジョンでも効果がありますか?」という疑問がしばしば寄せられます。しかし、その心配は不要です。その理由を3つのポイントで解説します。

 

1. 壮大なビジョンが応援される

会社の規模に対して、信念やビジョンが大きすぎるのではないかと心配する方もいますが、その心配は不要です。例えば、「裏の山のスライムを倒し、1,000ゴールドを貯めて、ルイーダの酒場で宴会をする」という目標のロールプレイングゲームを楽しめるでしょうか?「魔王を倒してお姫様を救う」という壮大な目標を立てるからこそ、ゲームは面白いのです。小さな目標では、人々から共感を得ることができません。大胆で意義深いビジョンを持つ企業は、多くの人々から支持されるのです。

 

2. 情熱が人々を魅了する

ドキュメンタリー番組で感動した経験はありますか?成功者だけでなく、売れない芸人や新宿のホスト、リストラされたサラリーマンなどのストーリーにも心を打たれることがあります。これは、彼らの挑戦や努力に対する情熱が視聴者に共感を呼ぶからです。無名だからといって、人を引き付けることができないわけではありません。同様に、企業も自分たちの事業に対する情熱を積極的に伝えることで、人々の応援を得ることができるのです。

 

3. 人間のストーリーには引き込まれる力がある

歴史の教科書は事実を中心に書かれているため、感動的とは言えません。しかし、歴史小説では、人々の物語と感情が前面に出されるため、読者を引き込む力があります。歴史の教科書で「公武合体と尊攘運動」を読んでも退屈なだけですが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」なら楽しみながら読み進めることができるでしょう。企業が自分たちの人間的な側面や情熱を強調することで、顧客の関心を引き付けることができるのです。

 

 

差別化を図るためには、単なる機能強化ではなく、自社の信念を伝えることが不可欠です。信念を共有することで、顧客との深い信頼関係を築き、共感を呼ぶことができます。商品やサービスの背後にある情熱やビジョンを伝えることこそが、他社との差別化を実現する鍵となるのです。

 

次章では信念を伝えて差別化を図るための手法として、『オーセンティックマーケティング(Authentic Marketing)』をご紹介します。



3. 解決策


古い海図の上に金色のコンパスが置かれている画像。その画像の上に「SOLUTION」と書かれている。

3.1 オーセンティックマーケティングとは?


競合他社と差別化を図るために、「オーセンティックマーケティング(Authentic Marketing)」という手法をご紹介します。「オーセンティック」とは、「本物の」「真正の」「信頼できる」「誠実な」などを意味する言葉です。この手法では、企業が持つ独自の価値観やビジョンを消費者と共有し、それに基づいて商品やサービスを提供します。

 

オーセンティックマーケティングを活用することで、企業は消費者と深い信頼関係を築くことができます。その結果、リピート購入が増え、口コミによる新規顧客の獲得も期待できます。

 

オーセンティックマーケティングが重視する要素は以下の通りです。

 

一貫性

企業が内部で掲げる価値観やビジョンが、消費者に伝わるメッセージと一致していることが重要です。例えば、環境保護を訴える企業が実際にサステナビリティの取り組みを行わない場合、消費者はその矛盾に気づき、企業に対する信頼を失います。一貫性のある行動こそが、信頼構築の基盤です。

 

透明性

オーセンティックマーケティングでは、企業が消費者に対してオープンであることが求められます。情報が多く、消費者が簡単に裏付けを取れる時代では、隠し事や誤魔化しはすぐに露見します。企業は自社の活動や意思決定プロセスを透明にし、消費者が共感できるようなストーリーを共有することが求められます。

 

共感

オーセンティックマーケティングは、消費者に単に製品を売るだけではなく、企業の価値観を共有し、共感を得ることに重きを置きます。顧客が自分自身の価値観と一致する企業やブランドを選び、それを支持する傾向が強まる中、企業は顧客と価値観を共有し、信頼関係を築くことが重要です。

 

誠実さ

誠実な行動が消費者の心に響きます。オーセンティックマーケティングの中心には「誠実さ」があります。例えば、問題が発生した際にその原因や対策を正直に伝え、謝罪する姿勢は、企業の誠実さを示す重要なポイントです。これにより、顧客の信頼を保つことができます。

 

 

要するに、企業と顧客が信頼関係を築くには、一貫性、透明性、共感、そして誠実さが不可欠だということです。売り手としてではなく、顧客の課題を解決するための信頼できるパートナーだと認識してもらうことが大切です。


3.2 信念を語ることから始めろ!


顧客と価値観を共有するには、まず企業の信念を伝えなければなりません。差別化の第一歩として、自社の「信念」を語ることが重要なのです。

 

商品やサービスの機能やスペックについて語るのではなく、なぜこの事業を始めたのか、目指すゴールはどこなのか、どのような道筋でゴールに向かうのかといった信念を伝えましょう。

 

もちろん、あなたの信念に全く関心を示さない人たちも多いでしょう。しかし、あなたの信念に共感する人たちも必ず存在しているのです。

 

この信念に共感する人たちに商品やサービスを提供し、自社ブランドを一緒に育むことができれば、競合他社との差別化となり、独自のポジションを確立することができます。ここで2つの事例をご紹介します。

 

1. ハーレー・ダビッドソン

みなさんはハーレー・ダビッドソンというバイクのメーカーをご存知でしょうか。大型のバイクを製造販売しており、テレビなどでハーレーに乗ったアメリカの無骨なオヤジたちが列をなして海辺を走っているのを見たことがあるかもしれません。

 

このハーレー・ダビッドソンが売っているのはバイクではなく「時代を超えた冒険と魂の解放」です。ハーレーより速いバイクはたくさんありますが、ハーレーほどライフスタイルを提案できる企業はありません。

 

2. スターバックス

もうひとつ、別の例を挙げておきます。みなさんご存知のスターバックスですが、他のコーヒーチェーン店と比較して雰囲気が違うと感じたことはありませんか?

 

それはスターバックスが提供しているものが「ラテ」などではなく、「人々の心を豊かで活力あるものにする」ことだからです。スターバックスのラテより美味しい飲み物はたくさんありますが、居心地の良い場所(サードプレイス)を提供できる企業は他にありません。

 

 

これらの企業は、商品の機能やスペックで勝負するのではなく、自分たちの信念を語り、それを実現することで勝負しているのです。

 

それには企業としての確固たるイメージを確立することが大切です。イメージの持つ力は強力で、プラスの印象を持っていればすべてを好意的に受け取り、マイナスの印象を持っていればすべてを悪い方に受け取ってしまいます。

 

自分の会社を振り返ってみて、現在特に良いイメージを持たれていなくても心配する必要はありません。イメージは今からでも修正可能です。次節では、それを証明する具体例をご紹介します。


3.3 企業イメージを書き換えることはできるのか?


オーセンティックマーケティングは、企業が持つ信念を顧客に伝え、新しいイメージを植え付けることで、顧客の先入観を払拭し、商品やサービスに対する新しい見方を提供する強力な手法です。以下に、イメージが書き換わる具体的な事例をいくつか紹介します。

 

生卵:多くの外国人は「生卵」を食べません。海外では卵の表面に細菌が付着しているため、生で食べると病気になることがあるからです。しかし、一度「すき焼き」を食べてもらうと、その美味しさから生卵を食べることができるようになります。

  

エビ:「クルマエビ」って美味しいですよね。身は刺身で食べて、頭は塩焼きにしましょう。ところで「ザリガニ」を見てどう思いますか?美味しそうには思えないでしょう。しかしよく見てください。クルマエビとザリガニ、ほとんど同じ形状です。試しにIKEAで食用のザリガニを買って食べれば、あなたもザリガニが美味しそうに見えてくるはずです。

 

納豆:私は大阪出身で、28歳になるまで納豆を食べたことはありませんでした。そのネバネバと糸を引く様子が苦手で敬遠していたのです。でも、東京に引っ越してから、ある定食屋さんで出された納豆をきっかけに食べ始めました。今では大のお気に入りで、ほぼ毎日食べています。

 

 

なぜイメージが書き換わったのでしょうか。それは『新しい体験』によるものです。これらの例は、顧客が『新しい体験』を通じて先入観を打破し、製品やサービスに対する見方を変えることができることを示しています。先入観はあとから書き換えることが可能なのです。

 

オーセンティックマーケティングは、企業のビジョンや信念を伝え、顧客に新しい視点を提供することで、彼らの印象を変えることを目指します。これにより、新しいイメージを確立し、顧客との関係を深めることができるようになるのです。



4. まとめ


白いテーブルの上に透明の便が置かれている画像。瓶の中にはミントの葉が入っている。その画像の上に「CONCLUSION」と書かれている。

4.1 オーセンティックマーケティングのまとめ


オーセンティックマーケティングとは、企業が持つ価値観やビジョンを共有し、顧客との深い信頼関係を築くマーケティング戦略です。企業の情熱や人間的な側面を強調し、透明性と誠実さを持って顧客に接することで、顧客の心を引きつけ、長期的な関係を築くことができます。これにより、企業は持続可能な成長を遂げることが可能です。

 

一方、日本の企業には新しい機能や高いスペックを追求する傾向があります。消費者が最新の技術やスペックに魅力を感じ、選ぶと考えているからです。しかし、機能やスペックの向上だけが、消費者の購買意欲を高めるわけではありません。

 

例えば、自動車業界では頻繁にマイナーチェンジが行われ、少しの改良があるたびに新しいモデルが市場に登場します。飲料業界でも、季節限定の商品が次々と発売され、新しさを武器に市場での競争力を維持しようとしています。しかし、これが本当に消費者にとって価値のあるものと言えるでしょうか?

 

これに対して、ハイネケンのようなグローバルブランドは、頻繁な改良や季節限定商品よりも、長年愛され続けるブランドの価値にフォーカスしています。「ハイネケン秋味」を見かけないのは、彼らが機能や流行よりも、ブランドの持つ信念やライフスタイルを重視しているからです。

 

機能やスペックでの競争は、短期的には消費者の興味を引きつけるかもしれませんが、長期的には価格競争に陥り、企業の利益を圧迫します。企業が本当に差別化を図り、持続的な成長を目指すなら、単なる技術の進化ではなく、自社のビジョンや信念を基盤にした価値を提供すべきです。そうすることで、価格競争から脱却し、顧客の共感を得ながら持続的な成長を実現できるでしょう。

 

今回のブログは以上です (^_^)/~~サヨナラ