宮崎 祥一 / ブランドプロデューサー
Honeywell、Experian、Teradata、Avanade、SAS Institute などの国際企業でアナリティクスのビジネス開発に携わった経験を活かし、オーセンティックマーケティングを通じて、価格競争に陥らない強いブランド作りを支援しています。オーセンティックマーケティングは、企業が本質的な価値を顧客に伝え、持続可能な成長を目指すための戦略です。このブログでは、そうした戦略や実践例を詳しく解説しています。
今日の論点
マーケティングと人事評価
マーケティング施策が思うように成果を出せないとき、真っ先に見直されるのは、施策そのものやチームのやり方だったりしませんか?もちろん、それも大切です。でも、ちょっと待ってください。実は、施策そのものではなく、「人事評価制度」に問題が潜んでいるかもしれないんです。
「マーケティング」と「人事評価」って、一見するとあまり関係がなさそうですよね。でも、この2つがしっかりリンクしていないと、どんなに優れた施策も期待通りの成果を上げることが難しくなるんです。
この記事では、なぜ人事評価がマーケティングの成功に影響を与えるのか、その背景と解決策を掘り下げていきます。もしかすると、これがあなたの組織の課題を解決するヒントになるかもしれません。それでは、見ていきましょう!
目次
1-1. マーケティング施策の課題に隠れた問題
1-2. 曖昧なKPI設定と短期成果偏重の評価制度
2. 課題の構造
2-1. 短期成果偏重が引き起こす問題
2-2. KPIの軽視がもたらす影響
3. 事例紹介
3-1. 失敗事例:短期成果偏重が生んだ施策の失敗
3-2. 成功事例:評価制度見直しで変わる施策の成果
4. 解決策
4-1. 短期と長期のバランスを取るKPI設定
4-2. KPIの運用強化と文化としての定着
5. まとめ
5-1. 記事のまとめと実践への一歩
1. 課題と背景
1-1. マーケティング施策の課題に隠れた問題
多くの企業で、マーケティング施策が期待した成果を上げられず、その原因を検討する場面に直面することがあります。多くの場合、「施策が適切だったのか?」「担当者のスキルに問題はないか?」といった議論が展開されるでしょう。しかし、こうした議論の背景には、往々にして見過ごされがちな要因があります。それが、「人事評価制度」です。
例えば、短期的な売上やリード獲得数ばかりが評価基準となると、担当者はどうしても短期的に結果が出やすい施策を優先せざるを得ません。その結果、ブランド価値向上や顧客ロイヤルティのような長期的な成果を目指す施策が後回しにされがちです。さらに、KPIが曖昧だったり、評価基準が統一されていなかったりすると、担当者は自身の努力が正当に評価されないと感じ、モチベーションが低下することもあります。
このように、マーケティング施策そのものに焦点を当てた議論の裏側には、人事評価制度が施策の方向性や質に大きな影響を与えている現実があるのです。この問題に目を向けることで、施策の成果向上につながる新たな視点を得られるかもしれません。
1-2. 曖昧なKPI設定と短期成果偏重の評価制度
マーケティング施策が期待通りの成果を出せない背景には、多くの場合、KPI設定の曖昧さと評価制度の構造的な問題があります。この2つが絡み合うことで、施策の質や方向性が大きく影響を受けてしまうのです。
1. 曖昧なKPI設定がもたらす影響
KPI(重要業績評価指標)は、施策の成果を測定するための指針であり、組織の方向性を示すコンパスのようなものです。しかし、KPIが明確に定義されていない、または現実的ではない場合、担当者は何を目指すべきか分からず、手探り状態で施策を進めることになります。その結果、施策が分散し、期待していた成果が得られないという状況に陥ります。
例えば、「SNSフォロワー数の増加」や「キャンペーンリード数の獲得」といった数値目標が設定されても、それが全社の長期的な目標(例:ブランド価値の向上や顧客満足度の改善)とリンクしていなければ、効果的なマーケティングにはつながりません。
2. 短期成果偏重の評価制度
さらに、人事評価制度が短期的な成果を重視する仕組みになっている場合、担当者はどうしても即効性のある施策に集中せざるを得ません。たとえば、売上やクリック数のように測定しやすい指標が優先される一方で、ブランド価値の向上や顧客ロイヤルティの構築といった長期的な視点の施策は後回しにされる傾向があります。
このような評価制度では、長期的な成果を目指す施策へのモチベーションが低下し、新しい取り組みやイノベーションが育ちにくくなるリスクがあります。特に、失敗を許容しない文化がある場合、担当者はリスクを取らず、安全策に走ることも少なくありません。
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曖昧なKPI設定と短期成果偏重の評価制度は、マーケティング施策の質を損ない、組織全体の成長を妨げる大きな要因です。これらを見直すことで、施策が本来持つ潜在的な効果を引き出し、長期的な成功を収めるための基盤を構築できるのではないでしょうか。
2. 課題の構造
2-1. 短期成果偏重が引き起こす問題
多くの企業で、短期的な売上やリード獲得数といった指標が過剰に重視される傾向があります。これは、特に四半期ごとの成果を重視する評価制度や、経営層からのプレッシャーによって引き起こされることが少なくありません。この短期成果偏重の文化は、次のような問題を引き起こします。
1. 長期的なブランド価値向上の軽視
短期的な売上を追求する施策は即効性がある一方で、長期的なブランド価値向上に資する取り組みが後回しにされる傾向があります。たとえば、頻繁な値引きキャンペーンは、一時的に売上を増加させるものの、ブランドのプレミアム感を損なうリスクがあります。結果として、顧客の価格依存度が高まり、ロイヤル顧客の離脱が進むという悪循環に陥る可能性があります。
2. 革新的な施策への忌避
短期成果偏重の環境では、成果が見えるまで時間を要する革新的な施策やチャレンジングなアイデアが敬遠されることがあります。失敗を許容しない文化では、担当者はリスクを取らず、安全策に走る傾向が強まります。これにより、競争優位性を築くための新たな施策が生まれにくくなります。
3. 部門間連携の欠如
短期成果を優先する場合、マーケティング部門と営業部門の間で目標の整合性が取れなくなることがあります。たとえば、マーケティングが短期的なリード数を追求するあまり、営業部門にとって質の低いリードが増え、結果として両部門の不和が生じることがあります。
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短期的な成果は確かに重要ですが、それに過度に依存することで、企業全体の成長や競争力が損なわれるリスクがあります。短期と長期のバランスを保ちながら、持続可能な施策を進めることが重要です。
2-2. KPIの軽視がもたらす影響
KPI(重要業績評価指標)は、マーケティング施策の成果を測定し、目標達成に向けた進捗を管理するための重要なツールです。しかし、多くの企業ではKPIが形骸化していたり、適切に運用されていなかったりするケースがあります。このKPIの軽視は、以下のような深刻な影響をもたらします。
1. 目標が不明確になる
KPIが曖昧であったり、全社目標や部門目標と整合性が取れていない場合、現場の担当者は「何を達成すればよいのか」が分からなくなります。この結果、施策がバラバラになり、組織全体の方向性が失われます。
- 例: マーケティング部門が「SNSフォロワー数の増加」を目標にする一方で、営業部門が「成約率向上」を求めるといった整合性のないケース。
2. 評価基準の不透明さ
KPIが明確でない場合、施策の成果や個人の貢献度を正確に評価することが難しくなります。これにより、担当者は自分の努力がどのように評価されるのか分からず、モチベーションが低下します。
- 例: 「リード獲得数」だけが評価基準となると、リードの質が軽視され、結果的に売上にはつながらない施策が増える可能性があります。
3. 施策の進捗管理が機能しない
KPIが設定されていない、または定期的な進捗レビューが行われない場合、施策の効果測定が不十分になります。その結果、改善ポイントが見えず、非効率な施策が継続されるリスクがあります。
- 例: 広告キャンペーンを実施したものの、クリック率やコンバージョン率のデータが十分に活用されない場合、施策の有効性を検証できない。
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KPIを軽視することで、目標の不明確さ、評価基準の不透明さ、進捗管理の欠如といった問題が発生し、組織全体の成果に悪影響を及ぼします。KPIは単なる評価ツールではなく、施策を成功に導くための羅針盤として適切に設定・運用されるべきです。
3. 事例紹介
3-1. 失敗事例:短期成果偏重が生んだ施策の失敗
短期的な売上目標に固執した結果、ブランド価値が損なわれた事例として、ある小売企業の例を紹介します。この企業は、年々競争が激化する市場環境の中で、短期的な売上アップを最優先する施策を続けていました。
背景:頻繁な値引きキャンペーンの実施
この企業では、数ヶ月ごとに大規模な値引きキャンペーンを展開していました。キャンペーン期間中は売上が一時的に増加するため、担当者も経営層もこの戦略を「効果的」と見なしていました。しかし、長期的には予想外の副作用が生じました。値引きが終了すると顧客数が急減し、通常価格での購入を避ける顧客が増えたのです。
結果:ブランド価値の低下と顧客離れ
頻繁な値引きにより、顧客の購買行動は「価格依存型」になりました。顧客の多くは「割引があるときだけ購入する」という習慣を持ち、ブランドへの信頼や価値認識が低下しました。特に既存顧客の中には、「ブランドの価値が下がった」と感じて他社製品に乗り換えるケースも見られました。
さらに、こうした施策は競合他社の値下げ競争を誘発し、結果として業界全体で価格競争が激化。利益率の低下が避けられなくなり、企業の収益基盤が脆弱化するという悪循環に陥りました。
原因:短期成果偏重の評価制度
この企業で短期的な値引き施策が繰り返された背景には、人事評価制度の構造的な問題がありました。担当者の評価基準が「四半期ごとの売上数値」に強く依存しており、数字を上げることが評価の中心となっていました。そのため、担当者は即効性のある施策に偏る一方、ブランド価値や顧客ロイヤルティといった長期的な成果には目を向ける余裕がありませんでした。
また、経営層も短期的な成功事例を重視する傾向があり、失敗のリスクを伴う革新的な施策に対する支援や評価が不十分でした。結果として、担当者は「チャレンジよりも安全策を取る」選択を繰り返すことになったのです。
教訓:長期視点の評価制度の必要性
この事例から分かるように、短期的な成果だけを評価基準にすると、担当者の施策選択が偏り、結果的に企業全体に悪影響を及ぼす可能性があります。長期的なブランド価値の向上や顧客との信頼構築を評価基準に組み込むことで、持続可能な成長が実現できる環境を整える必要があります。
3-2. 成功事例:評価制度見直しで変わる施策の成果
短期成果に偏重した評価制度がもたらす課題を克服するために、評価基準を見直し、マーケティング施策を成功へと導いた事例を紹介します。ある化粧品メーカーは、評価制度の改善を通じて、長期的なブランド価値の向上と顧客との信頼関係の強化に成功しました。
背景:既存制度の課題認識
この化粧品メーカーでは、以前は短期的な売上やキャンペーンのリード獲得数が主な評価基準でした。しかし、その結果、担当者は一時的な売上向上を狙ったプロモーション施策に集中し、ブランドイメージや顧客満足度に寄与する長期的な施策が後回しにされるという状況が続いていました。
こうした短期偏重の体質が、顧客ロイヤルティの低下や競合との価格競争を引き起こし、組織全体の成長を妨げる要因となっていたのです。
解決策:評価制度の見直し
この課題に対処するため、経営層は評価制度の抜本的な見直しに着手しました。新しい評価制度では、以下のような長期的な指標を取り入れることが重視されました:
- ブランド認知度の向上
- 顧客満足度(NPSやレビュー評価など)
- SNSエンゲージメント率
- リピート購入率やLTV(顧客生涯価値)
さらに、短期的なKPI(例:四半期の売上やリード獲得数)と長期的なKPI(ブランド認知度や顧客満足度)を組み合わせて評価することで、バランスを取る仕組みを構築しました。また、プロセス評価を重視し、新しい施策やリスクを取った挑戦を評価の対象とすることで、担当者が革新的な取り組みに注力できるようにしました。
結果:施策の質的向上と持続的な成長
この評価制度の見直しによって、担当者の意識が大きく変わりました。短期的な売上目標に追われるのではなく、顧客との関係構築やブランド価値向上に寄与する施策への注力が可能になったのです。具体的な成果として、以下のポイントが挙げられます:
- SNSキャンペーンの成功: SNS上でブランドの世界観を伝えるコンテンツを投稿し続けた結果、エンゲージメント率が30%向上。また、顧客が自発的に商品の魅力を共有するUGC(ユーザー生成コンテンツ)が増加しました。
- 顧客ロイヤルティの向上: アフターサービスの強化や顧客の声を反映した商品開発により、リピート購入率が20%増加。顧客満足度調査でも高評価を得ました。
- ブランド認知度の拡大: 継続的なPR活動とコンテンツマーケティングの成果により、ブランド認知度が前年比で15%向上しました。
評価制度がもたらした文化の変化
評価制度の見直しは、施策だけでなく組織文化にも大きな影響を与えました。担当者は「長期的な成果を目指しても評価される」という安心感を得ることで、リスクを伴う新しいアイデアにも積極的に挑戦するようになりました。また、経営層と担当者がKPIを共有し、進捗を確認するプロセスが透明化されたことで、組織全体の連携が深まりました。
教訓:評価制度の見直しがもたらす可能性
この事例は、評価制度を見直すことでマーケティング施策の方向性が大きく変わり、成果が向上することを示しています。短期的な目標と長期的な視点を両立させる評価制度を構築することが、持続可能な成長を実現する鍵となるでしょう。
4. 解決策
4-1. 短期と長期のバランスを取るKPI設定
短期的な成果を追求しながらも、長期的な成長を見据えた施策を実現するためには、KPIの設定段階で短期と長期のバランスを取ることが不可欠です。このバランスを適切に取れない場合、短期的な成果に偏重するあまり、長期的な競争力やブランド価値を損なうリスクがあります。
1. 短期KPIと長期KPIの違いを明確にする
- 短期KPI: 四半期や月単位で測定される成果指標で、施策の即効性を測るもの。
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- 例: 広告キャンペーンのクリック率、リード獲得数、今月の売上目標。
- 長期KPI: 年単位で成果を測定し、持続的な成長を目指す指標。
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- 例: ブランド認知度の向上、顧客ロイヤルティの向上、LTV(顧客生涯価値)。
短期KPIは施策の改善を迅速に行うために役立ちますが、長期KPIを並行して設定しないと、全体の方向性が見失われる可能性があります。
2. 短期と長期を組み合わせたKPIの設定方法
短期と長期のKPIを効果的に組み合わせるには、以下の3つのステップを活用することが重要です。
- 全社目標を基盤に設定する
まず、全社の戦略目標を明確にします。その目標を基盤として、各部門やチームの短期KPIと長期KPIを設定します。下記に例を示します。
- 全社目標: 売上10%増加。
- マーケティング部門の短期KPI: 月間リード獲得数を20%向上させる。
- マーケティング部門の長期KPI: 年間顧客継続率を10%改善する。
- SMART原則でKPIを具体化する
設定したKPIを「具体的(Specific)」「測定可能(Measurable)」「達成可能(Achievable)」「関連性がある(Relevant)」「期限付き(Time-bound)」に整えます。
具体的な例は下記の通り。
- 不明確な目標: “ブランド認知度を向上させる”
- SMARTな目標: “6か月間でブランド認知度を前年比15%向上させる”
- 短期と長期のKPIを明確に区別する
短期KPIは迅速に効果を測定する指標、長期KPIは持続的な成長を示す指標として、下記のように役割を明確化します。
- 短期KPI: 広告キャンペーンのクリック率やリード獲得数。
- 長期KPI: 顧客ロイヤルティやブランド認知度の向上。
これらのステップを実行することで、短期的な成果と長期的な成長を両立するためのKPIを設定することが可能になります。
3. 成果を評価する仕組みを整える
短期KPIと長期KPIの成果を公平に評価するための仕組みが必要です。
- 短期と長期を別々に評価: 短期KPIだけを評価すると担当者が即効性のある施策ばかりに集中してしまうため、両方を評価基準に組み込みます。
- プロセス評価を加える: 長期KPIに関しては、数字だけでなく、取り組みや進捗状況も評価対象にします。
- 事例: ある企業では、四半期ごとに短期KPIの達成率を評価し、年次で長期KPIの進捗を評価することで、両者のバランスを維持しています。
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短期と長期のバランスを取ったKPI設定は、即効性と持続性の両立を可能にします。このバランスを意識することで、短期的な成果を追求しながらも、長期的なブランド価値の向上や競争力の強化を実現できます。
4-2. KPIの運用強化と文化としての定着
KPIを効果的に運用し、組織全体に浸透させるには、経営層の積極的な関与が欠かせません。経営層がリーダーシップを発揮しつつ、運用の仕組みを整え、文化として定着させる取り組みが必要です。
1. KPI運用を強化する仕組み作り
KPIが形骸化しないよう、定期的なレビューやデータ活用を軸にした運用体制を整備します。
- 定期的なレビュー: 月次や四半期ごとに経営層が参加するレビュー会議を開催し、進捗状況や課題を可視化します。
- ツールの活用: ダッシュボードやKPI管理ツールを導入し、リアルタイムで進捗状況を確認可能な環境を整えます。
- 経営層のリーダーシップ: 経営層がKPI進捗を主要議題として取り上げ、必要な指示やリソースを提供します。これにより、KPIが全社目標と緊密に連携します。
2. KPIを文化として根付かせる
KPIを組織文化として定着させるため、全社員がその重要性を理解し、主体的に取り組める仕組みを作ります。
- 成功体験の共有: KPI達成時には、チームや部門を表彰することで、成功体験を全社で共有し、モチベーションを高めます。
- 失敗から学ぶ仕組み: KPI未達成の場合でも、振り返り会を通じて改善点を明確化し、次の施策に活かします。失敗を許容する文化が新たな挑戦を促します。
- 部門間の連携: 各部門のKPIを全社目標に沿って統合し、部門間での協力を促進します。定期的な部門間会議で進捗を確認し、連携の精度を高めます。
- 経営層の姿勢: 経営層自らがKPI運用の模範を示し、現場と密に連携することで、文化の浸透を加速させます。
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経営層が主導し、KPI運用の仕組みを整えるとともに、それを文化として組織全体に根付かせる取り組みが必要です。これにより、KPIは単なる管理ツールではなく、組織全体の成長を支える柱となります。
5. まとめ
5-1. 記事のまとめと実践への一歩
本記事では、短期成果偏重やKPI軽視といった課題を克服するために、効果的な解決策を提案してきました。以下にその要点をまとめます:
1. 短期と長期のバランスを取るKPI設定
短期的な成果と長期的な成長を両立するため、具体的で達成可能なKPIを設計する方法を紹介しました。
2. KPI運用を支える仕組みの構築
定期的なレビュー、経営層の関与、ツールの活用、プロセス評価の4つの柱を整える重要性について述べました。
3. KPIを文化として定着させる
KPIを単なる管理ツールではなく、組織全体の成長を促す文化として根付かせる方法を提案しました。
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次のステップ
KPIを効果的に運用するには、小さな取り組みから始めることが大切です。以下のアクションを実践してみてください:
- 部門目標を再確認し、短期KPIと長期KPIを設定してみましょう。
- KPIレビュー会議を1つスケジュールに組み込み、進捗状況を共有する場を設けてください。
- チームメンバーとともにKPIの重要性や意義を話し合い、共通の理解を深める時間を作りましょう。
KPIは、組織の方向性を示す羅針盤です。それを形骸化させるのではなく、活用する文化を醸成することで、持続的な成長を実現できるでしょう。本記事の内容が、あなたの組織の成功に役立つ一助となれば幸いです。
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サラリーマン時代を思い出すと、KPIってこんな感じでした。年に一度、人事から1時間くらいの説明を受けて、指定のフォーマットに必要事項をとりあえず書き込む。それを上司と面談して、ちょっと修正されて完成。四半期に1回上司とレビューしておしまい。全体の戦略や方針に基づいてるというより、なんとなく儀式的に進んでいく印象でした。