デジタルマーケティングの全体像を解説! - オンラインでの効果的な集客と顧客獲得の方法

スマートフォンを操作する若い女性の画像。スマートフォンの上にはグラフやネットワークのイメージ図が重ねられている。その画像の上に「デジタルマーケティングの全体像を解説! - オンラインでの効果的な集客と顧客獲得の方法」と書かれている。

宮崎 祥一 / ブランドプロデューサー

HoneywellExperianTeradataAvanadeSAS Institute などの国際企業でアナリティクスのビジネス開発に携わった経験を活かし、オーセンティックマーケティングを通じて、価格競争に陥らない強いブランド作りを支援しています。オーセンティックマーケティングは、企業が本質的な価値を顧客に伝え、持続可能な成長を目指すための戦略です。このブログでは、そうした戦略や実践例を詳しく解説しています。

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今日の論点


デジタルマーケティングの全体像を解説します

今回のテーマは「デジタルマーケティング」です。ただ、あまりにも範囲が広いので、個別の手法を説明するのではなく、デジタルマーケティングが、どのような経営課題を解決できるのか、またその手法にはどのような種類があるのか、それらの全体像を解説いたします。

 

あと、個別の手法については、別途ブログ記事を書く予定です。(一部、既に書いたものもありますけど・・)

 

それではデジタルマーケティングの現状やその実践方法を、経営者目線で見ていくことにしましょう。今回はガチで範囲が広いので、個別の課題を解決するというよりも、デジタルマーケティングの全体像をつかんでもらえるように配慮しました。



目次


1. デジタルマーケティングとは何か?


CGデバイスとそれを操作する手

1.1 デジタルマーケティングの定義と特徴


デジタルマーケティングとは、インターネットやスマートフォン、SNSなどのデジタルプラットフォームを活用して行われるマーケティング手法のことです。従来のマーケティング手法と比べて、ターゲット層に対する直接のアプローチがより簡単に効率的に行えます。デジタルマーケティングの特徴を以下に示します。

 

1. 効率的なターゲティング:デジタルマーケティングにおいてターゲティングは、とても重要な要素です。ターゲティングとは、顧客の購買行動や属性情報を活用して、特定の顧客セグメントや、その顧客が抱えている課題に合致しした情報を提供することを指します。このターゲティングにより、顧客が本当に関心を寄せている課題に対して、適切な情報を届けることができ、広告の効果を高めることができます。

 

2. 効果測定が容易:デジタルマーケティングはオンライン上で行われるため、リアルタイムでさまざまな指標を測定することができます。この効果測定により、マーケティング活動の成果を確認し、改善案を検討し、最適化を図ることができるのです。

 

3. 低コストで実施可能:デジタルマーケティングは、従来の広告と比較して、低いコストで広範囲に情報を提供することができます。オンライン広告は、テレビや雑誌などのオフライン広告に比べて制作コストが低く、またターゲティングにより、必要のないターゲット層への広告を回避できるため、費用対効果を高めることができます。また、効果測定が容易であるため、予算の最適化が可能です。

 

4. 双方向のコミュニケーションが可能:デジタルマーケティングでは、SNSやウェブサイト上でのコンテンツ配信を通じて、顧客と双方向でコミュニケーションすることができます。これにより、顧客の課題や悩みを直接的に確認できるため、商品やサービスの改善に役立てることができます。


1.2 デジタルマーケティングが注目される理由


また近年、デジタルマーケティングが特に注目されている背景には、以下のような要因があります。

 

1. インターネットの普及:総務省が発表した「情報通信白書 令和4年版」によると、個人におけるインターネット利用率は「82.9%」となっており、多くの企業や個人が

情報を簡単に入手・発信できるようになりました。これにより、企業はインターネットを通じたプロモーション活動に対して、多くのリソースを割くようになりました。

  

2. スマートフォンの利用者数の増加:先ほどの「情報通信白書 令和4年版」によると、世帯におけるスマートフォンの保有率は「83.4%」となっています。スマートフォンは、従来の携帯電話と比較して機能が豊富であり、また持ち運びも容易です。このため、インターネットへの常時アクセスが可能となり、企業はターゲットとする顧客に対して、いつでもどこでも情報を届けることができるようになりました。

 

3. SNSの利用者数の増加:SNS(ソーシャル ネットワーキング サービス)は、情報の共有や拡散

を容易に行うことができます。これにより企業はSNSを利用して、ターゲット層に対するプロモーションや、口コミなどを狙ったマーケティングが可能となりました。また、SNS上では企業と顧客のコミュニケーションも容易となり、その関係性を深めることにも役立っています。

 

4. AIやデータ分析の進歩:AIやデータ分析におけるテクノロジーの進歩により、企業は顧客の購買行動やその嗜好を、容易に把握することができるようになりました。これにより、顧客ごとにパーソナライズされたマーケティング施策の実施が可能となり、企業のマーケティング効率を高めることに寄与しています。

 

これらの要因の相乗効果により、デジタルマーケティングは従来のマーケティング手法と比べて、ターゲット層へのリーチが容易になり、より効果的なマーケティング活動が実現しています。



2. デジタルマーケティングの手法


Digital Marketingと画面表示されたラップトップとデスク周りの小物

2.1 デジタルマーケティングの手法について


デジタルマーケティングには様々な手法が存在しますが、企業でよく使用されるものを一緒に見ていきましょう。

 

1. コンテンツマーケティング:顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、顧客との信頼関係を築く手法です。ブログ記事や動画などのコンテンツを作成し、顧客の課題を解決できるような情報を提供します。

  

2. アフィリエイトマーケティング:アフィリエイターと呼ばれるウェブサイト運営者に対して、自社の商品やサービスの宣伝の掲載を依頼するマーケティング手法です。訪問者が広告をクリックするなどのアクションを取った際に、企業はアフィリエイターに対して報酬を支払います。この手法は費用対効果が高く、ターゲットに合わせた広告展開が可能です。

 

3. インフルエンサーマーケティング:インフルエンサーと呼ばれる人物や団体に対して、自社の商品やサービスを紹介してもらう手法です。インフルエンサーは、SNSやブログなどで多くのフォロワーを持っており、その影響力を活用することにより、ブランドの認知度などを向上させます。

 

4. メールマーケティング: e-メールを活用して顧客とのコミュニケーションを行い、商品やサービスのプロモーションを行う手法です。パーソナライズされたコンテンツをタイムリーを提供することで、顧客の興味を引き、購買意欲を高めることができます。

 

5. SNSマーケティング:SNS(Social Networking Service)を利用して、企業の商品やサービスのプロモーションを行う手法です。SNSへの投稿や広告などにより、顧客とのコミュニケーションを図り、その関係性を深めることが可能です。

  

6. SEM(Search Engine Marketing):SEMは検索エンジン上での広告を活用して、自社のウェブサイトへのトラフィックなどを増やす手法です。主にGoogleやYahoo!などの検索エンジンが提供する広告サービスを利用し、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示させることができます。

   

これらのデジタルマーケティング手法は、それぞれ特徴が異なりますので、自社の目的やターゲットに合わせて、カスタマイズして活用する必要があります。



3. デジタルマーケティングを実装するためのプロセス


Implementation stepsの文字と5つの木の階段(ステップ)

3.1 デジタルマーケティングの始め方


デジタルマーケティングは、デジタルプラットフォームを使用するだけで、マーケティング戦略の立案、実行、評価などについては、従来のマーケティング手法と大きく変わるものではありません。下記のそのプロセスを示しておきます。

 

1. 目標の設定:まずデジタルマーケティングの目的を明確に設定します。例えば、トラフィックの獲得、リード獲得、コンバージョンなどが目標になります。従来のマーケティング手法と比較して、具体的な数値目標が設定しやすくなっています。

 

2. ターゲット層の決定:どのターゲット層に自社の商品やサービスをアピールしたいのかを、明確に定義します。年齢層、性別、趣味、興味、地域など、具体的な属性を設定することが重要です。できれば理想の顧客像として「ペルソナ」を設定しておくよ良いでしょう。

 

3. デジタルマーケティング手法の選定:目標とターゲット層が決まれば、それに対する適切なデジタルマーケティングの手法を決定します。先に紹介した、コンテンツマーケティング、インフルエンサーマーケティングなど、上手く組み合わせることが大切です。これにより各手法の相互作用による効果も期待できるようになります。

 

4. コンテンツの作成:デジタルマーケティングの手法が決まれば、それに対して必要なコンテンツを決めなければなりません。顧客の課題を解決できる情報を伝えるコンテンツを用意するのですが、デジタルマーケティング手法によって、必要とされるフォーマットが異なりますので注意が必要です。テキスト、動画、画像など、適切なフォーマットを選びましょう。

 

5. マーケティング施策の実施:制作したコンテンツを実際に配信するのですが、プラットフォームごとに効果的なタイミングや頻度を検討する必要があります。配信のタイミングが悪かったり、頻度が多すぎたりすると、逆にブランドイメージを損なうことになりますので、ターゲット層の特徴を正確に把握しておくことが大切です。

  

6. 効果測定と改善:マーケティング施策の実施後、定期的にパフォーマンスをモニタリングしましょう。これらのデータを分析することで、手法の改善と最適化を図ります。これらのアクションを継続することで、ターゲット層への訴求力や、自社のブランド力などを向上させることができます。

 

これらのプロセスを踏むことで、デジタルマーケティングを効果的に実践し、目標の達成に向けて前進することができます。顧客が抱える課題も少しずつ変化していくものですので、常に改善を図っていくことが大切です。


3.2 デジタルマーケティングを実施する際の注意点


デジタルマーケティングを実施する際に、次の2つのポイントに注意すべきです。

 

1. 法令の遵守:デジタルマーケティング活動を行う際には、関連する法令や規制を遵守することが重要です。主な法令には以下のようなものがあります。

  • 広告に関する法令: 不当表示防止法や景品表示法など、広告や販売促進活動に関する法令を遵守しなければなりません。また誇大広告や虚偽表示は、法律で罰せられる可能性があります。
  • プライバシーに関する法令: 個人情報保護法など、顧客のプライバシーに関する法令を遵守しなければなりません。特に個人情報の取り扱いには、細心の注意が必要です。
  • 著作権に関する法令: コンテンツを制作するにあたって、著作権や肖像権の侵害に注意しなければなりません。他人の作品を無断で使用することは違法です。
  • メール送信に関する法令: 事前の同意なしに特定電子メール(広告を目的とした電子メール)を送信することは禁止されています。スパム行為は企業の信頼を失うことにもつながります。

 

2. セキュリティ対策:デジタルマーケティング活動では、顧客情報や企業情報のセキュリティ対策が重要です。以下の対策を講じましょう。

  • ウェブサイト: ウェブサイトへの不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために、サイトの定期的なセキュリティチェックが必要です。
  • 顧客データの保護: 個人情報の取り扱いには細心の注意が必要です。データベースのセキュリティ対策やアクセス制限を適切に設定し、顧客データの漏洩リスクを最小限に抑えましょう。
  • 社内のセキュリティ教育: 社員に対して定期的なセキュリティ教育を行い、情報漏洩リスクを把握しやすくします。個人だけではなく組織全体で対策を講じる必要があります。

 

これらの法令順守やセキュリティ対策は、企業が適切なデジタルマーケティング施策を実施するために必要不可欠であり、これを怠ると企業の信頼性やブランドイメージを大きく損なうことになります。



4. メリットとデメリット


メリットとデメリット

4.1 デジタルマーケティングのメリット


デジタルマーケティングを実施することで、企業側が享受できるメリットは多岐にわたります。以下に、主なメリットを解説します。

 

1. ターゲット層へのリーチが容易:デジタルマーケティングでは、顧客の属性や購買行動をもとに、ターゲット層に合わせたコンテンツを配信することができます。これにより、広告効果が向上し、より効率的なマーケティング活動が実現できます。

  

2. 効果測定が容易:デジタルマーケティングでは、広告のクリック数や閲覧時間、コンバージョン数など、さまざまな指標を用いて効果測定ができます。これにより、コンテンツの改廃や効果的な施策の見直しが可能となります。

  

3. 顧客とのコミュニケーションが容易:SNSやメールマーケティングなどのデジタルマーケティング手法を活用することで、顧客との直接的なコミュニケーションが容易になります。これにより、顧客の課題や悩みを直接確認することができますので、提供するコンテンツの満足度を高めることができます。

  

4. 小規模企業でも実施が可能:デジタルマーケティングは、予算や実施する規模などについて、非常に高い自由度を持っています。特にSNSマーケティングやコンテンツマーケティングは、低予算でも効果的な結果を期待できます。これにより、小規模企業でも競争力を高めることが可能です。

   

以上のようなメリットを享受することができるため、デジタルマーケティングは現代のビジネスにおいて、欠かすことのできない戦略となっています。


4.2 デジタルマーケティングのデメリット


デジタルマーケティングを実施する際に、企業側が抱える可能性のあるデメリットも存在します。以下に、主なデメリットを解説します。

 

1. デジタルマーケティングの変化への対応:デジタルマーケティングは、最新のテクノロジーやトレンドが常に変化しており、企業はその変化に追従しなければなりません。このため、組織的に新しいスキルを獲得し、マーケティングの戦略や手法の見直しなど、柔軟な対応が求められます。

  

2. ネガティブ評価とクレーム対応:SNSマーケティングなどを活用する際、ネガティブな評価やクレームに対応しなければなりません。これらの対応が不適切であったり不親切であった場合、企業のブランドイメージを損なうことにもなりかねませんので、細心の注意を払う必要があります。

 

3. 効果の確認に時間を要する:デジタルマーケティングの取り組みによっては、すぐに効果が現れない場合があります。特にコンテンツマーケティングのように、長期的な実施が不可欠な場合、短期間で成果を図ることはできません。ステークホルダーに対して、事前に十分な説明を行い、理解を得ておく必要があります。

  

これらのデメリットを踏まえつつ、デジタルマーケティングを効果的に活用し、企業の目標達成に繋げていくことが重要です。



5. まとめ


デジタルマーケティングでの発見を表すCGをそれをかざす男性の手

5.1 デジタルマーケティングの今後


デジタルマーケティングの今後は、さらなるテクノロジーの進歩や顧客の購買行動の変化にともない、進化し続けることが予想されます。以下に、今後のデジタルマーケティングにおける主要なトレンドを簡単にまとめます。

  • AIの活用: 近年のAI技術の発達には目覚ましいものがあります。AIを活用することにより、ターゲッティングの精度向上や、よりパーソナライズされたコンテンツの提供など、顧客満足度を高めることに寄与することが予想されます。
  • 顧客体験の重視: 顧客体験(Customer Experience)が、企業の競争力を左右する要素として重要視されることが予想されます。デジタルマーケティングにおいても、顧客が快適に情報を得られるデザインや、オンラインとオフラインがシームレスにつながるような顧客体験の提供が求められます。
  • マルチチャネルの進化: 現代の顧客は、さまざまなチャネルを使い分けて情報を入手しています。企業はウェブサイト、SNS、メール、アプリなど様々なプラットフォームを統合した、マルチチャネル戦略を展開することが求められます。

 

企業のマーケティング戦略において、デジタルマーケティングはさらに重要視されていくことが予想されます。企業は新たなテクノロジーを積極的に取り入れ、顧客からの要望に対して柔軟な対応ができるような組織作りが求められていくでしょう。 

 


5.2 【追記】SEM(Search Engine Marketing)を集客の軸にするリスク


SEM(検索エンジンマーケティング)は、ターゲット顧客に効率的にリーチできる手法として多くの企業で活用されています。しかし、SEMを集客の主要な軸にすることには、いくつかの重大なリスクが伴います。

 

まず第一に、検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に変更されるため、その影響を受けやすい点が挙げられます。検索エンジンは、ユーザーに最適な結果を提供するためにアルゴリズムを常に進化させていますが、これにより検索結果のランキングが突然変わることがあります。これが原因で、ある日を境に集客率が大幅に低下するリスクを抱えています。

 

特に、SEM業者が推奨するような小手先の手法に依存している場合、検索エンジンからペナルティを受ける可能性が高まります。ペナルティを受けると、広告費が無駄になるだけでなく、長期的なブランドイメージにも悪影響を与えることになります。

 

さらに、SEMは即効性が高い反面、長期的な持続可能性に欠けることが問題です。検索エンジンのアルゴリズムに依存したマーケティングは、変動に対応しきれないと一貫した成果を上げることが難しくなります。これにより、企業が求める安定した成長を実現するには、他のマーケティングチャネルとのバランスが必要です。

 

コンテンツマーケティングやソーシャルメディアを活用し、顧客との信頼関係を構築することが、長期的にはより安全で効果的なアプローチとなります。SEMはその一部として活用することが理想的ですが、あくまで全体の戦略の一要素として位置づけ、リスクを分散させることが重要です。

 

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検索エンジンの担当者が手動でペナルティを課した場合、問題を改善すれば数か月で元に戻ります。しかし、アルゴリズムによるペナルティでは、たとえすぐに改善を行ったとしても、1年経っても元に戻らないことがあります・・・ヤバいです。